治療の特徴

当クリニックの医師は、心療内科と精神科双方の十分な臨床経験を積んでいます。

さらに診療スタッフ(医師および心理士)は、精神分析的精神療法あるいは認知行動療法のトレーニングを受け、その分野での専門性の高い資格を有しています。

その豊富な臨床経験と専門性を活かしながら、受診される方お一人お一人に最も適した治療的アプローチを、十分な話し合いのもとに選択して参ります。

当クリニックが提供する治療法には以下のようなものが含まれます。

A.一般診療

1.薬物療法

今日それぞれの病状に有効な、さまざまな薬が開発され臨床的に活用されています。当クリニックでは豊富な臨床経験と幅広い知識に基づき、薬の効果の期待できる方に対して、できるだけ副作用の少ない、そして最も有効と思われる薬を用いて治療します。

薬の効果の三分の一は薬物そのものではなく、医師との信頼関係に基づく心理的効果だといわれています。受診される方の心を深く理解しうる精神療法のプロだからこそ、最小限の薬で最良の効果をあげることが可能になります。

2.一般精神療法

孤独は人の心を打ちのめします。心と身体の悩みについて、誠実に受け止め、心の整理をお手伝いし、専門的立場から助言します。必要に応じて、ご家族や職場の関係者にもお会いしながら、困難な状況の解決を支援します。

以上の2つのアプローチが当クリニックでの一般診療の両輪です。それらに加えて当クリニックでは、診療スタッフの専門性を活かした以下の特殊療法を、必要に応じ、話し合いと合意のもとで提供しています。

B.特殊治療

3.認知行動療法

同じ出来事に遭遇しても、それほど気にしない方もいれば、すごく落ち込んでしまう方もいます。同じ状況であっても、上手に立ち振る舞える方もいれば、どう対処して良いか分からなくなる方もいます。この違いは、モノの捉え方(認知)や、振る舞い方(行動)によって生じている可能性があります。

認知行動療法では、今抱えている困難に焦点を当て、それがなぜ続いているのか、その方特有の認知や行動に潜む悪循環について理解を深めます。そしてセラピストと一緒にその対処方法を検討し、生活の中で試行錯誤を積み重ねながら、より良い対処方法を見出し、問題を解決していきます。週1回45分の面接を定期的に積み重ね、最終的にはより適切なセルフヘルプができるようになることを目指します。

自己を理解し、もっと自分らしい生活を手に入れたい…。そうお思いの方に、認知行動療法は大いに役立つことでしょう。

4.精神分析的心理療法

ひとはみな心の内に、自分でもよく知らない世界を抱えています。そこに潜む未解決の葛藤こそが、心と身体のさまざまな問題を惹き起こすことをジグムント・フロイトは解明しました。そしてその解決のために築き上げ、その後発展を遂げた方法が精神分析的心理療法です。

精神分析的心理療法に取り組む方は、面接の中で心に浮かぶことを自由にお話しすること(自由連想法)を通して、セラピストとともに内なる世界を見つめ、自己と深く出会い、理解を深めてゆきます。

この方法は心の成長をめざす取り組みであるため、十分な時間(1回45分)と頻度の高い面接(週1回から3回)、そして比較的長い期間(数年以上)を必要とします。 一般診療での薬物療法や一般精神療法では解決のつかない大きな困難を抱えている方、頭では分かっていながらどうしても変わることのできない心の不自由さに苛まれている方、ご自分の心を深く見つめ、心の豊かさと自由さ、そして創造性を手に入れたいと望まれる方などで、この方法を有効に活用できると見込まれる方にお勧めします。

精神分析的心理療法はゆったりと流れる時間の中で、あなたの心を、そして人生を豊かなものにするかけがえのない体験になると思います。 現在精神分析的心理療法は、当院併設の<心の杜カウンセリングオフィス>において行っています。