心の丸窓(15)うつ病の養生いろは その1

☞「心の丸窓」は心の杜の医師による心の診療に関するコラムです。

「心の丸窓(2)」の「うつ病と励まし」では、うつ病になった方への周囲の人々の接し方が取上げられました。今回は2回にわたり、うつ病を患っているご本人の養生の基本についてご説明します。

) 「治る」と思うこと: うつ病になると、考え方すべてが悲観的になりがちで、「どうせ治らない、このまま苦しさが続くのでは」と絶望的な気分になることがあります。しかし、うつ病は適切な治療と休養により必ず治る病気です。もし悲観的な考えが浮かんだ時には、「これは病気による考えだ」とひと呼吸おいてみましょう。

) 休むこと: 「休養しましょう」と言われても、元来生真面目な性格傾向を持つうつ病患者さんは、休むことに「申し訳なさ」を感じがちです。でもここは「回復のために必要なこと」と受け入れましょう。「休養」の第一は、生活リズムの大枠は崩さないように注意し、夜に十分な良質の睡眠をとることです。そのために必要ならば睡眠薬を調整してもらい、眠れるようになるだけでもずいぶん楽になるものです。

) 薬を飲むこと: 薬物療法は多くの方にとって回復のためのとても有効な手段です。初めは薬を飲むことさえ億劫だったり、抗うつ薬の服用を漠然と怖く感じるかもしれませんが、ここは頑張りどころです(服薬にまつわる不安については心の丸窓(7)「うつ病と薬」をご参照下さい)。副作用には神経質になりすぎず、不安なことがあれば遠慮なく医師に尋ねてください。抗うつ薬の効果は、2週間程して徐々に現れます。ゆっくりですが、でも必ず効いてきますから焦らずに待ちましょう。

) 周囲の人と関わること: 丸窓(2)で述べられたように、うつ病の方が無理に活動の誘いに応じるのは禁物です。もしも、このように働きかけられたときは、患者さんは率直にそれが負担だと言って良いのです。誘いを断ることは、申し訳ないことではありません。また、自分に必要な助けは周囲の人に求めましょう。こういう時は、遠慮せず人を頼ることで道が開けます。

 次回は、ほ) 食べること、へ) 活動すること、と) 医者と付き合うこと、について説明をします。

(MUSASHI: 記)