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心の丸窓(49)精神分析と証明可能性について

☞「心の丸窓」は心の杜の医師による心の診療に関するコラムです。
  

昨今、科学は進歩し、またエビデンス全盛の時代で多くのことが目に見えるかたちで証明され、分かるようになってきたことは誰もが実感できることでしょう。

その中で「精神分析はどこか曖昧でよくわからない、うさんくさい」という印象を持たれる方もいるかもしれません。

フロイトが提唱した無意識の概念は理論や根拠のあるものです。しかし、無意識の存在が精神分析をうさんくさいと感じられる方を納得させられるレベルで科学的に証明されているかというと、現段階ではまだそこには至っていないようです。

しかし、「なかなか証明できないもの=正しくないもの」なのでしょうか?

論理学にゲーデルの不完全性定理というものがあります。その定理が示していることは、おおまかに言って、「正しくても証明できない命題がある」ということです。ゲーデルが研究した論理学に限らず、人間の理性には限界があり、正しいことをすべて証明できるわけではないと考えてみることもできるでしょう。

無意識の存在が証明不可能なものかはわかりません。これから証明されるかもしれません。一つ言えることは、すでに証明されていることや明確にわかっていることだけが真実ではないようだということです。

そして、まだ明確に証明はされていない無意識を利用した治療である精神分析で多くの方の症状が良くなったり、人生が豊かになったりしていることも事実なのです。

(月河葵 記)

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