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心の丸窓(27)月経前緊張症(月経前症候群)と心療内科・精神科:後編

☞「心の丸窓」は心の杜の医師による心の診療に関するコラムです。

 

前回は、月経前緊張症/月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)とはどのような状態や障害なのかをお伝えしました。今回はこれらに対する治療についてお話ししたいと思います。

 

治療に際しては、詳しい問診や基礎体温表などに基づく月経周期との関連性を把握します。さらに血液検査による女性ホルモン分泌状態の評価も行い、病態を十分把握した上で方針が立てられますが、多くの場合薬物療法が有効です。婦人科では低用量ピルの内服によって主に身体症状の軽減が図られます。頭痛、腹痛、腰痛などに対する鎮痛剤の併用も適宜行なわれます。また心身の多彩な症状を伴うこの障害に対しては、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などの漢方薬が有効な場合があります。出血量が多いために鉄欠乏状態に陥っている場合は、鉄剤の内服、あるいは鉄分を多く含む食餌療法の併用が有効です。血糖値の低下傾向が症状の悪化を招いている場合は、少量頻回に分けた食事摂取で症状が軽減されることもあります。有酸素運動が心身の症状を和らげるので、ウォーキングやスイミングなど、日頃から適度な運動を積極的に取り入れることも検討してよいことです。

 

いっぽうPMDDのように精神症状も中等症以上になる場合は、うつ病との関連も含めて総合的に検討される必要があるでしょう。具体的には精神症状の様相に応じて、SSRIなどの抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤などの服用が考慮されねばなりません。さらに背景に、より深刻な心理的苦悩がある場合には、精神療法の中で時間をかけて取り組む可能性もでてきます。 いずれにしても単に症状だけでなく、心と身体の深い関わりを理解し、社会的営みにも配慮しつつ相談と治療に取り組むことに心がけねばならないと、私たちは考えています。

 

(カラマツ林の梟)

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