心の丸窓(4) パニック障害について

☞「心の丸窓」は心の杜の医師による心の診療に関するコラムです。

パニック障害という病気があります。突然おこる動悸、息切れや浅い呼吸、手足のしびれや発汗、「死ぬのではないか」という恐怖感などを主な症状(これをパニック発作と呼びます)とする病気です。この発作が頻発するようになると、「またあの発作が起こるのではないか」という不安感(これを予期不安といいます)にしばしば苛まれたり、不安を呼び起こす場所を避けて行動範囲が狭まってしまうこともあります。

この発作はその特徴から心臓や呼吸器の病気が疑われるため、救急外来や内科を受診し、そこで「身体には問題はありません」と診断されることが多いようです。身体の病気でも同様の症状が起こる可能性があるので、検査で身体に問題がないと診断してもらうことは必要です。しかし、これらの症状がパニック障害によるものだとわからないと、患者さんが身体に問題がないと説明を受けた後、「この発作は何だ?」と不安感、恐怖感を高めてしまう事もあるでしょう。

それではパニック障害はどこの病気なのでしょうか? それは脳の病気だと今は考えられています。脳内の情報伝達をする神経伝達物質であるセロトニン系の機能異常が原因であろうと推定されています。そして実際にセロトニンを調節する薬がパニック障害に効果があるということがわかってきています。お薬を服用することでパニック発作や予期不安をおさえながら、症状への対処法や予防法を相談したりすること、また過労や睡眠不足、脱水、心理的な悩みなど、脳の中のこととは別次元のことで症状に影響を与えるような要因を見出してともに対処することは、パニック障害の患者さんにとって大きな援助になると考えられます。 

(湖底の月 記)